みなさん、こんにちは
つい先日公開されたコラム“CAEとは?”は読んでいただけましたでしょうか?
ここでは身近なケースに絞ってCAE解析のちょっとしたメリットについて紹介したいと思います。CAEと聞くと,何やら難しい言葉がたくさん出てきて、専門家が使うんだよ…風に受け取られるかもしれません。確かにCAEを使いこなすためにはそれなりの知識が必要です,いやちょっと待って!!こんにちでは割と簡単に使う事ができる様になっていますョ。 そこで紹介したいのは,アーム型ロボットの先端に付けるグリップの解析例ですが,ワン・ツー・スリーとかなり簡単な操作で答えが出てきます。で,ポイントはこの解析をどんな時にやるか?という事と,答えをどんなふうに見るか?という事です。
解析にはいろいろな種類がありますし,もちろんそれぞれの分野で必要な知識も違っています。どの種類のCAEを使うのか?ということ。そして,もう一つの視点は,どのタイミングで使うのか?です。よく耳にするのは“狙った通りの性能が出ない,なぜなのか?をCAEで解明したい”,“耐久試験で曲がちゃったから,なぜなのかをCAEで突き止めたい” などなど,原因究明にCAEを使おうというケースです。CAE活用の絶好のタイミングですね。
一方で,皆さんは日々の仕事の中で “この厚みこれであってる?”,とか “この構造で狙い通りに動く?”などいろいろな要素を考えながらカタチを検討されていると思います。さて,そんな時,このタイミングでCAEを使ってみてはどうでしょう?
(例によってChat-GPTさんにこんな質問をしてみたら納得のゆく答えを返してくれました。)
では,“アセンブリの力に関する解析”を簡単に紹介しますね。
モデルは,ここにある様に左右の2個のツメを開閉して物をつかむ機構です。かたいもの,やわらかいものいろいろなものをつかむのですが,気になっているのは “この機構そのものに弱点はないのかな?さらには,弱いのはどこ?のあたりをつけたい” と想定します。経験豊富なエンジニアの方でしたら,ふむふむ… いろんな懸念事項が頭をよぎって…“こうしよう,この方がより良い!”となるでしょう。でもあえて解析をやってみましょう。
解析は,動作する箇所をすべて接触に定義して,動ける状態にしました。固定するのはアームに取り付けられる面です。ツメを開閉するためのL字のシャフトに平行に力をかけます。ツメの中央には(変形しない)硬いものを挟んでおきました。
さて,結果は図の通りです。
ふむふむ,一応設定しておいた材料の降伏応力より大きな力はなさそう。最大応力の箇所もだいたい想像の通り… めでたしめでたし… かな? いやいやちょっと待って!!
結果をよーく見ると,ツメが上に持ち上がってない?力がかかるアームもそうなってる?。
あらら,この動きは想定できていませんでした。
ご存じの方はお分かりだと思いますが,この想定外の動きになる結果も,解析の条件次第ですし,また,この結果をどんなふうに考えるのか?対策をするのかしないのか?を含めてどんな風に対処するのか?が大事なポイントになります。解析をするまでもなく結果を想定できるエンジニアの方も大勢いらっしゃるでしょう。
しかしここでの注目したいのは,先に述べた “どのタイミングでCAEを使うの?” という事です。いうまでもなくことが起きてから対応するよりも,事前に回避,または予知ができているとその後の進め方に大きな差が出てきます。手間はかかるけど,後で泣きを見るよりも今のうちに解析してみよましょうョ!
ちょっと大げさで回りくどい内容になってしまったかもしれませんが,記事を読んでいただいた皆さん、ぜひ今検討中のモデルで気になる個所を解析してみませんか?
いわてDEセンターではCAEのエキスパートがサポートします。
参考情報 コラム “CAEとは?”
いわてDEセンターでは解析だけでなくいろいろなセミナー・講習を開催しています。
https://iwate-de.jp/seminar/
最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。そろり。