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デジタルエンジニアとは?

 デジタルエンジニアと呼ばれる技術者は、ものづくりにおいてデジタル技術を活用し、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の向上を図り、安全で魅力ある製品を創り出せる人のことです。デジタル技術は、ものづくり製造業の中で設計ツールとして使用されている「CAD キャド (Computer Aided Design)」、強度や機構検証を行う「CAE シーエーイー(Computer Aided Engineering)」、切削加工用のNCプログラムを作成する「CAM キャム (Computer Aided Manufacturing)」、3Dプリンタや3Dスキャナーなどのことを言い、これらの技術をデジタルエンジニアリングと呼び、これらを上手く活用し、安全で品質の良いものを早く創りだしていく技術者がデジタルエンジニアです。

 ものづくりでは、3D技術を使い、設計物をコンピュータ上に3Dの立体物として、そのまま形状を作成(デジタル試作)し、組立検証や干渉チェック、質量や重心の確認から強度検証や熱解析などのシミュレーションが行われ、物をつくってからの手直しをできるだけ少なくし、手戻りによる時間を減らすように取組まれています。

 コンピュータで設計した形状を実物で確認したい場合には、CAMを使用してNCプログラムを作成し、工作機械で切削した物を張り合わせてつくられたり、今は3Dプリンタを使って、材料を積み重ねながら立体物を作成して様々な検証が行われたり、製品に組み込まれています。

 また、3Dスキャナーを使い、現物を3Dスキャンしコンピュータ上に3Dのデジタルデータとして取り込み、検査やリバースエンジニアリングに活用されたり、大事な物をデジタルデータとして保存したり、3Dプリンタなどで再製作されたりしています。

 デジタルエンジニアリングの活用は設計者だけに留まらず、生産技術部門や生産現場の人たちが組立検証や生産ラインの検証、ロボットの動きを3Dデータでシミュレーションしたり、3Dスキャナーを活用した自動検査が行われるなど品質管理部門などでも活用されています。営業や購買などでも設計者が作成した3Dデータをもとに商談や部品発注などが行われています。

 さらにVR(仮想現実)、AR(拡張現実)といった技術が使われるようになり、デジタルツインと呼ばれるバーチャル(仮想)とサイバー(現実)の空間を融合させたモノづくりが進んできています。

 製造業以外でも、3Dデジタル技術は活用されています。例えば、博物館とかにある重要文化財を3Dスキャンして保存したり、ドローンを飛ばして空から撮影をして地形の3Dデータを作成したり、人が入ると危ないようなところにドローンを飛ばして撮影し橋をどこにかけたら良いのか、道路をどこにつくったら良いのか検証しながら設計が進められています。

 医療の分野でも活用されていて、人体を3Dスキャンして、義手や義足が設計されたり、リハビリ機具や手術用の模型を3Dプリントしたりと活用されています。またVR技術とロボット技術を活用した遠隔操作による手術なども行われるようになってきています。

 その他にも、服や靴などのファッション関係や、ケーキやお菓子などの料理関係でもクッキーやチョコレートの型を3Dプリンタでつくったり、形状をつくるのに3Dスキャナーなどを活用したりと、様々な分野でデジタル技術は活用されています。 以上のように製造業だけではなく、デジタルエンジニアの活躍できる幅が広がってきています。

 いわてデジタルエンジニア育成センターでは、3Dデジタルツールの使い方から設計や加工で必要な知識などについて講習会やセミナーを開催しています。企業様の相談も受け付けておりますので、ぜひ、お問い合わせください。